犬の朝 短編
女×男
興味を持った方は続きから
『ピピピ……』
マンションの一室に不快感すら覚える電子音が鳴り響くと。
青年は慌てて跳ね起き、即座に目覚まし時計を止めた。
現時刻午前11:30。世間一般ではそろそろお昼に差し掛かろうかとする時間帯。
「ん~~っ♪」
眠い目を擦りつつ、青年はベッドの上でめいいっぱい背伸びをしてから遅めの朝を迎え入れた。
二度三度と首を捻り肩を回して眠気を払い、その後視線を自らが履くオムツへと移していく。
青年は紙オムツの上にピンクの可愛らしいオムツカバーをする以外は何一つ身に着けていない。
だが、自らの格好に疑問を抱くことも無く、臀部の肌に拡がる感触からお漏らしを察するとそのまま部屋を出て浴室に直行した。
「……ふぅ」
僅かに纏わり付いていた眠気と共に汚れを落とし終え、洗面所の床に座って新しい紙オムツ自ら巻き付ける。
因みにさっきまで履いていたのは、シャワー前に臭いが漏れぬよう袋詰めしゴミ箱へ放り込んでおいてある。
パンツタイプでは無いものの、器用に一人で全てをテキパキとこなし、今度は新たなオムツカバーをその上に施していく。
今度のオムツカバーは水色の生地でお尻部分に大きなクマさんアップリケが付いていた。
明らかに女児向けのデザインではあるが、嫌がるどころかむしろ嬉しそうにそれを身に纏い終えて。
身も心も新たにすると、青年は自らのオムツ姿を洗面台の鏡に映しながら歯を磨き身支度を整えキッチンへと向かった。
今から遅めの朝食兼昼食の準備に取り掛かるのだ。
「ふふ~ん♪」
オムツにエプロン姿で鼻唄交じりにキッチンを動き回る。
コーヒーメーカーに豆をセットし、出来上がるまでの間にトーストと卵にベーコンを焼いていく。
ベーコンエッグは卵を4つ。焼き加減は黄身を半熟にするのがスタンダードだ。
だがベーコンはカリカリにしなければならない。そこは腕の見せ所。元々料理は得意な方だ。
軽く焦げ目を入れたトースト三枚には、バター・ジャム・蜂蜜をそれぞれ塗り付ける。
その僅かな合間に新鮮なレタスとトマトを洗いカットするとお更に盛り付けた。
広いキッチン&ダイニング内を手際良く立ち回り、瞬く間に準備を終わらしていく。
彼にとっては、ほぼ毎日となる日課なのだから手慣れたものだ。
一日の始動となる一食目に相応しい、栄養のバランスが取れた朝食を前にして
「完璧かな♪」
言葉と共に得意気な顔をした青年は、すぐにその頬を赤く染めつつ軽やかな足取りで寝室へと向かった。
寝室の扉を前にし、返事の返って来ないノックを二度すると。
ドアノブに手を掛け軽く深呼吸し息を整える。
だが漏れたのは熱の籠った吐息。既に青年の顔は頬が染め上がり瞳が潤んでいた。
高鳴る気持ちはそのまま、上擦った声へと変わる。
「失礼します」
昂りを隠せないまま静かに扉を開けると、広い部屋中央に置かれた天蓋付きベッドの横へと歩みを進め。
豪快にもベッド中央で全裸を晒したまま大の字に寝ている女性の耳元で囁いた。
「おはようございます、優華様❤」
昨夜も遅くまで経営する店へと顔を出していたからか中々反応がない。
余り寝起きの宜しくない主の為に、軽く肩を揺すりながら幾度と起こすと、ようやく主が重い瞼を開け始めた。
「んふぁぁ…ん……ポチか………」
「はい、優華様。昨日は遅くまでお疲れ様でした。朝食の支度が整ってますので起きて下さ―――んんっ❤」
最後まで出せなかった言葉の代わりに身体が揺れる。
口内を掻き回す粗暴な舌使いに体中の力を抜かれて。
鷲掴みにされた後頭部の髪の毛の痛みを感じないほどの荒々しい口付。
「――っはぁ…❤」
「ふぅ…ポチ―――」
「はい❤」
最後まで主の言葉を聞くこともなく、青年はベッド脇にしゃがみ込む。
日課なのだから言われるまでもなく身体が動いた。
そのポチを跨ぐようにして優華がベッド縁へ腰掛けると。
当たり前のように…否――彼にとって当たり前の行為。
大きく開いた口で、躊躇うこと無く優華の秘部を覆う。
次の瞬間―――
「ふぅ……」
『ごく…ごく……―――』
優華が漏らした声と同時に、ポチが喉を鳴らしていく。
だがその顔には嫌悪や苦痛など微塵もなく、もはやそれだけで絶頂しそうなほどに淫蕩とした表情で。
事実、熱い液体が口内を浸し喉を通り抜ける度にポチは身体を小刻みに震わせ軽くイっていた。
つんと口内から鼻孔に掛けて駆け巡るアンモニアの刺激臭すら心地良い。
だがそれでも――歓喜と興奮で醒めぬ身体を何とか制御し、一滴も溢さず体内に迎え入れる。
僅かな粗相すら主の部屋でしたくはないし、何よりも一滴とて逃したくはない。
ポチにとって、この日課は他のモノには与えられることのない自分だけの特権なのだ。
『――ぴちゃ…』
全てを飲み干し終えると、掃除を兼ねながら物足りなそうにポチは舌を這わす。
丁寧に――丹念に―――。
いつの間にか再び後頭部の髪の毛を優華に掴まれているが、それでも気にすることなく舐め取っていく。
別段痛みは感じない。僅かな痛みなど今の行為の前には全て霞むし、そもそも引き剥がされようとしてる訳でもないのだから。
自分が今すべきことは、何よりも舌を動かすこと。
使命に駆られ意識を舌先へと集中させていく。
「……んっ…」
耳元へ、他のモノでは滅多に聞けぬであろう息使いが漏れ流れ込むと。
その吐息を耳にできただけで、再びポチの肉体は歓喜に震えた。
だが休むことなく、何度と吐息が促すままに舌を這わせ続け―――。
やがて髪の毛を握る手が強まり、優華の肉体が痙攣したのを合図に、格別な一時は終りを告げた。
「…ふぅ…やっぱりポチが一番上手いな♪」
「――っはぁ……ありがとうございます、優華様❤」
「よしよし、良い子だ」
「……あっ…❤」
今までと違う柔らかな感触が髪の毛を覆うと。
驚いた声をあげ…瞬く間にポチは顔を真っ赤に染め上げた。
そしてそのまま目を閉じ、手の動きに身体を委ねている。
力を抜き去り、五感を、撫でる掌全てに集中させて。
どんな躾、どんな恥かしめを前にしても……ポチはこれが一番気恥かしかった。
「くく…可愛いいなお前は」
「あ、ありがとうございます」
「オムツは?」
「……ふぁ…はぃ…汚れてたので…優華様の…お手を朝から煩わせないように自分でしました……」
「そうか♪」
わしわしと頭を撫でる感触が強まった。感情を伝えるべくして。
強さはそのまま、信頼の証だからこそ、ポチの瞳が潤む。
「俺のペットに相応しい、惨めな尻穴になったな、ポチ♪」
「…はぃ…優華様に…壊して頂き…凄く幸せです❤」
笑顔で応えるその言葉には、何ら嘘偽りが混じっていない。
彼にとって最も重要なことは……如何にして主に気に入って貰えるか―――これが全て。
女性としては逞しく太い優華の腕が二本とも入ってしまう程に拡げられ、日常生活に支障をきたすくらい括約筋を緩められても些細なことなのだ。
尤も、オムツが必要なレベルまで壊されたアナルに限らず、乳首のピアスや体の至る所に施された入墨の時点で世間一般の生活なんて送れる筈もないが。
既に平穏な日常なんてものは遥か彼方に置き去りにされ、こうして普段から主の身の周りのお世話をしつつ生かされる人生。
もうポチの済む世界は、主である優華の周りにしか存在しない―――。
◆
「ほら、ポチ。お前も食べろ」
「はい❤」
椅子に座り用意された朝食を頬張る主の横で。
リビングの床に正座したポチの前にも容器が一つあった。
だが食卓を彩る料理やその器と違い、赤色をしたプラスチック製の粗末な犬用食器だ。しかも空のまま。
でもそれを前にして、ポチの目に不満の色はなく、むしろ期待に溢れ待ち望む歪な輝きを見せている。
―――その空の容器に、ぼとりとある物が落とされた。
それは、本来の姿を失った、さっきまで朝食だった物だ。
気まぐれに、優華が自らの口内で噛み砕き吐き捨てたモノ。
唾液交じりの食材。
次の瞬間、それこそ何の躊躇いもなく―――ポチは這いつくばると容器の中に顔を突っ込み、それを咀嚼し始める。
嬉しそうに喉まで鳴らして。
無意識にふりふりと、尻尾を振るからの如くオムツに包まれたお尻も揺れていた。
「美味いか?ポチ」
「――んぐっ、ごく…はい、優華様」
「ま、お前が作る飯だから美味いわな」
空となった容器の中に、再び朝食だったモノが吐き出されると。
また音を立てながらポチは容器の中に顔を埋め貪った。
口内に…舌先に……豊潤な味が拡がり心を逸らす。
食材に唾液。尿と愛液。
先程、寝室で行われた行為の残り香に誘われるがまま。
身体の中全てから主に満たされる感覚に溺れていく。
「ほら、ガッつかずちゃんと味わって食え」
「――んぐっ……ふぁぃ」
突如と頭を踏みつけられ、顔が更に容器内へ埋められるも。
テーブルの下から湧き起こった返事は、歪な喜びに満ち溢れ震えていた―――。
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