尻穴壊し
?×男・監禁・調教・強制肉体改造
興味持った方は続きから
「んぁ…?今何時だ……」
深い眠りから男は目を覚ました。眉と目を顰める寝起き特有の不満げな顔をして。ただそれでも端正な顔立ちは崩れることが無い。
力強い瞳に筋の通った鼻。シャープではあるが細過ぎない男らしさを兼ね備えたフェイスライン。実際、優勝こそ逃したものの大学ではミスコン上位に食い込む実力だ。
顔だけにとらわれず肉体も、昔から大抵のスポーツはそつなくこなせただけあってしなやかな筋肉に覆われていた。さしずめ動物に例えるなら豹と言ったところだろうか。俊敏な動きで獲物を捕らえる美しき獣。
――だが、今はいやに身体が重く感じた。珍しくうつ伏せで寝ていたせいかもしれない。
「くわぁ…ん、飲み過ぎたか…俺が……?」
昨夜の記憶を辿る。しかし何故か記憶は酷く曖昧で泥の中に埋もれていた。めっぽう酒にも強い筈なのだが全く浮かぶ気配は無い。
「あれ?そもそも昨日っていつ寝たっけ……」
鈍い意識を抱えながら目を擦る。否、擦ろうとした筈だった。
『ガチャ』
「………え?……はぁ?なんだ、これ!?」
視線で追うと、動かす予定だった右腕は顔より遥か彼方に囚われている。発作的に逆を見てみれば、左手も同じ状態だ。そればかりか――。
「うわっ、ちょ、待てって!?そもそもここ何処だよ?」
醒め始めた意識で理解する。両腕どころか両足、腰に至るまで何かで拘束されているようでほとんど動かせないのだ。うつ伏せのまま尻だけ引き上げられ、犬のような恰好で身体が何かの上に固定されている。
首の動く範囲で見渡すと、自分の部屋で無いことだけは理解できた。余りにも見慣れぬ部屋だ。無機質なコンクリートの壁だけが巡り、家具らしき物もほとんど見えない。
ただ一つ。目の前に置かれた大画面のモニターを除いては。
「マジで何だよ!おい、誰か答えろ!!」
「あら、この状況でそれだけ吠えれるなんて大した玉ね」
「はぁ?」
見えぬ背後には扉があるのだろう。突如として聞こえた人の声。どうやら女のようだ。ハスキーで艶のある、男なら声だけで美人だと理解出来る声。
「お前誰だよっ!」
「椿よ。そう呼ばれてるし、そう呼ばせてるわ」
声は真上から降り掛かった。もう、目で追わずとも目の前に女が見える。とは言っても際どい切り込みをした黒い革製の衣装に包まれた下腹部だけだが。
一瞬、男はたじろぐ。余りに艶めかしい光景に。
だが状況が状況だ。すぐさま視線を出来るだけ上に向ける。しなやかな腰、やや予想より小ぶりな胸の膨らみを越えれば女の顔が目に入った。
思わず息を呑むほどの美人。にっこり微笑むその様に、嫌な思いを感じる男なんて世に居ない程の。
ただ、見下ろす切れ長の目だけは切り捨てるような冷たい光を放つ。
「つばき?知るかっ!おい女っ、これ解け!」
堪らず吠えた声に若干の怯えが見えた。それを感じ取ったのだろう。更に女は唇の端を上げながら告げる。
「女?ふふ、女なんて居ないわよ」
「……はぁ?――っ⁉」
間抜けな声が呑み込まれる。パチンと音を起て女が剥ぎ取った股間部分の衣装。どうやら変態御用達の着脱式で股間だけ露わに出来る仕様らしい。
だが問題はそこではない。
女が露わにした部分には、本来女なら無い筈の物がそそり勃っていたのだ。
「マジかよ……」
予想外の事態に男が呟くも、もう一人の男は淡々と言葉を吐くだけ。
「さて、そろそろ始めましょうか」
「な…っ…てめえ、待て。おい、やめろっ」
「あらあら、流石は女の子を犯すのが好きなだけあって察しが良いわね」
一瞬にして男の顔は強張り、次の瞬間には鬼の形相で睨みを利かす。
「手前、誰に頼まれたっ⁉」
「心当たり多過ぎて分からないでしょ。貴方、評判悪いもの」
険しい眼差しを飄々と交わしながら背後に回るもう一人の男。冷やかな笑みを浮かべたまま、職務を遂行すべく淡々と作業に入る。
「おい、ま――うひゃっ!?」
「間抜けな声ね。ま、もっと間抜けになるけど」
突如臀部を襲った冷たい感触に男が悲鳴を上げるも、お構いなしに男は動いた。
『ぐぼぼっ』
「んごぉっ…ぉぉ…♥」
ひくひくと鼻を鳴らし男が呻く。突然の感覚に弾け飛んだ意識では理解出来ないと言った表情で。しかし困惑で歪むその顔には、少なからず苦痛以外の色が混じる。
未知の感覚だった。下腹部を中から抉られ、例えるなら体内で風船が膨らみ破裂したかのような衝撃。チカチカと視界が眩み眩んだ。
限界まで見開かれた目。半端に広がる口。声に成らない音だけが漏れ、理性も思考も抜けたアホ面晒し震えながらも男は声を絞り出す。
「な…なに…をォォォ♥」
「焦らないで。今見せてあげるから」
冷たくあしらう声と入れ替わりに短い電子音が鳴る。そして男の視界の先では置かれた画面が明るさを帯びて行った。
「っお゛あ゛……?」
最初はよく分からなかった。何が目の前に広がっているかが。
一面の肌色。画面の隅々まで。ただ、その中央部だけは白い物が埋められている。太い杭のような物だ。
「ぉ…な…ん……だ?」
――パクパクと。酸欠の金魚に似た息遣いで男は吐く。気が付けば身体は痙攣し、反りかけた背中には汗の玉をびっしりと浮かせている。内臓が煮え滾るような感覚に犯されながらも、必死に思考を巡らせるが答えは導けないようで呻き悶えた。
「何だ……って、さっきと違って今度は察し悪いわね」
呆れた口調が背中を叩き、次の瞬間――更に男は悶絶した。
『ぐぼっ、ぐぼぼっ』
「んごっ、お゛おっ、あ゛ぉぉ♥」
低い手負いの獣のような唸り声。だが僅かな色声も含み込み、涎と交え滴り堕ちた。
「――な゛、なに゛ぉ♥」
目を白黒させつつ男は画面を見つめる。もう涙が滲みぼやけているが、それでも己の身に何が起きてるか確かめるべく必死に意識を集中させて。
「お゛ぉ…んぎ?」
最初は疑念。想像し難い妄想。だが、それは身を貫く圧迫感で現実味を帯びていく。
「ま゛ざ…が…ン…ぉ…♥」
白い杭が僅かに動き埋め込まれると、背筋を冷たいとも熱いとも分からぬ衝撃が遡り脳で爆ぜる。
吐くような衝撃。
だが痛みよりも響く重苦しい――快感―――。
「ぢ…ぢが…うぞだ……」
途切れ途切れに絞り出された声は、涙混じりの悲鳴だった。否定を求めるかのように僅かだけ左右へと振られた首の動き。
だが、それを背後の声はあっさりと裏切った。
「理解出来た?これ映してるカメラは貴方の後ろにあるの」
「ぢ、ぢがぅぅぅ」
「違わないわ。そこに映ってるのは貴方のお尻よ?あと、私の右手――と言うか、右腕ね」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
激しい痙攣と共に男は呻き吠える。内臓の奥から絞り出すようにして。否、絞り出されると言った方が適切だろう。
何故なら背後の男が述べた通り、深々と自分の尻に他人の腕がめり込んでいるのだから。
それも最早、肘の辺りまで――。
「ぬ゛、ぬげよぉぉぉ」
「じゃあ、ご希望通りに」
笑って即答すると一気に引き抜かれる右腕。
『ぐぼぼぼぼぼぼ』
「ン゛あ゛ぁ~~~~~~♥」
更なる絶叫。だが先ほどの低い唸り声と違い今度は何処か鼻に抜けた声だ。
男の顔も圧迫から解放され重苦しさを感じさせない。そればかりか若干青ざめていた顔色に赤みが差していく。
事実、脊髄通る神経を内臓ごと掴み引き抜かれるような感覚に襲われ男は悶えていた。ゾクゾクなんて生易しいものじゃない、頭の先から肛門までを氷塊がごりごり押し通る荒々しさ。
拘束の支え無ければ腰砕け今にも突っ伏してしまっていただろう。それほど迄に恐ろしいほどの快感なのだ。
「んぁぁ…や、やべ…ろ゛ぉ……」
「止めてあげても良いわよ?貴方が過去にそう言われて止めてあげたことあるのならね」
感覚が爆発し混濁した脳内で男は記憶を掘り出す。だがそこには一度たりとも女の悲鳴に耳を貸した過去は見当たらなかった。
当然、それを知っている右腕は動きを止めない。
「ほら、また入れてあげる」
「ま、まっ…で――」
『ずぼぼぼぼ』
「っん゛お゛ぉぉぉぉっっっ⁉♥」
『どぷんっ!!!』
肛門の襞を伸ばし押し込む腕に合わせ、男の身体からゆっくりと精液が押し出される。その名称通り、トコロテンのように。
「あらあら、尻穴に男の腕突っ込まれて出ちゃったわね」
「――っお゛?…うぞ…だぁ…お゛ぁ♥」
否定し掛けた言葉を出し切る事無く、射精の余韻が身体を震わせた。太い腕で貫かれているのにも関わらず。
「ほら、見てごらん。私の腕が肘まで簡単に♪」
「ん゛おっ…ぢがっ…ぅぅ…」
「みっちり私の腕を尻穴が咥え込んで。エッチな穴ねぇ」
幾ら否定しようとも言葉通りでしかなかった。拡げられた尻穴周りの筋肉は皺を伸ばし切り限界まで伸び切っている。そのまま女が擂り粉木棒の如く腕を回すと動きに合わせ形を変えていく。
「痛みなんてほとんど無いでしょう?」
「う゛あ゛ぁ!?」
――問いに男は気付いてしまう。それは事実であると。
目の前の画面に映し出されたものは紛れもなく自分の下腹部だ。例え認めたくない現実だとしても。映像の動きに合わせ幾重にも未知の感覚が身体に送られるのだから、嫌が応にもそう理解させられる。
本来ならそこに入る筈の無い太さ。それが何度とお尻の穴を抉り拡げ続けていく。限界まで伸び切ったゴムのような括約筋を更に伸ばし、鈍く濡れた音を奏でながら。手首だけに留まらず肘までの長い距離を何度と往復させて荒々しく行われる蹂躙。
目を覆いたくなるような惨状。
―――なのに、差して血を流すこともなければ張り裂けそうな痛みも無い。僅かな鈍痛と不快感こそあれ、自らの肉体は破瓜に耐える乙女のような声も上げず色めいた呻きを溢すだけだったのだ。
「……ンぉ゛、なんで…ぇ……?」
一瞬、もしかしたら映像は自分と関係ないのかもしれない。そんな甘い考えすら脳裏を過ぎる。これは自分を懲らしめる為の単なる脅しなのだと。
しかし、そんな望みを見透かすかのような背後の声。
「ふふ、貴方はきっと勘違いしてるわ」
「んぎっ…がんぢが…い?」
「ええ。自分は寝て当たり前のように起きたばかりだと」
体内を巡る感覚で鈍る頭は声の意図を理解出来ない。だが言葉は、余地を与えることなく続いていく。
「昨日寝て、今日起きてみたら見知らぬ場所に連れて来られていた……違う?」
「んぐっ…?」
ぼやけたまま、新たな声が送り込まれることで膨れ上がる疑問。
――それは至極あっさりと破裂した。
「貴方が寝たのはもう一週間も前よ。ずっと薬で眠らされてたの」
「――な゛、な゛にをいっで?」
「まだ分からない?」
呆れたと言わんばかりに笑う男の声。だがそれは更なる嘲りをも産み部屋中へ響き渡る。
「一週間も眠ってる間、ずっと貴方は尻穴を捏ねくり回されてたって言ってるの。可愛い寝顔だったわよ?尻穴を惨めなケツマ〇コに変えられてるとも知らずに喘いじゃって」
「う、うぞだ……」
「嘘じゃないわ。現にこうしてお尻の穴は腕の太さに馴染んでるでしょ?ほらほら」
『ずぼぼっ、じゅぶ、ぐぼぉっ』
「う゛ぉっ♥あ゛、あ゛、あ゛~~~っ♥」
青ざめた筈の顔色が瞬く間に薔薇色へ染まり、男はくぐもった喘ぎ声を張り上げた。背後から浴びせられた声を否定したくとも、体内を駆け巡る感覚が許してくれない。
「ふふ、いくら否定したって身体は正直よ?」
「うぞだ、うぞだぁ…ん゛お゛っ…お゛ごぉ…♥」
身じろぐ事も出来ず四肢を固定されたまま、僅かに動かせる首だけを振る。知らぬ間に造り変えられてしまった自らの下半身が生み出す刺激に抗おうとして。
だが、悍ましき快感はそんな男を易々と呑み込んでしまう。もう背中に脂汗を浮かべ、外れもしない拘束具を痙攣に合わせ鳴らし蠢くものの、無常にも自らの体内を犯す腕に身を委ねるしかなかった。
「あったかいわぁ。貴方のお腹の中って。突き立ての御餅に腕入れてる感覚?」
「っんご♥…う゛る゛…ぜ……ぇ――あ゛っ♥」
僅かに上げられた虚勢も瞬く間に消え失せる。
「ほら、ぺったんぺったん御餅つき♪」
『ぐぼ、ずぼ、ぐぽっ!!!』
「んごっ、あ゛っ、んお゛っ、あ゛ぁ゛っ♥」
「あはははははははは」
室内に響く勝ち誇ったような笑い声。
だが仕方ない。
馬鹿にされた通り何度も腕を出し入れされると本当に餅つきしてるかのような音が鳴り、男も捏ね手が挟む相槌のように雄叫びを響かせてしまったのだ。
余りの情けなさに泣きそうになる男。しかし、泣き声を上げることすら肉体は叶えてくれなかった。
「あ゛おっ♥お゛っ、お゛っっ♥」
内臓が捏ね繰り回される感覚。肛門を無理やり拡げ捲られる感覚。乱暴に抜き差しされる度、嫌でも全身へ送り込まれてしまうから。
――絶え間なく―――苦痛以上の快感を兼ねて。
『ぶぴゅ』
「アハハ、また出してるわよ?気持ち良いんでしょ?」
「んごっ♥ぢがぅぅ――お゛ぅ…んが…ぬげよ゛ぉぉ――あ゛っ♥」
「これだけ垂れ流して何言ってるの?」
生粋のサディストなのだろう。背後から浴びせられる声は男以上に昂り男を煽る。
「ま、気持ち良くないならそれはそれでいいけど。だって貴方、尻に腕突っ込まれ気持ち良くないのに精液流すド変態ってことになるんだから」
『ぐぽ、ぎゅぽ、ぐぶぶ』
「ぢが―お゛ほっ♥や、やべ――あ゛あ゛っ♥♥」
泣き叫ぼうとする声は男の本心だろう。目の前で鮮明に映し出されているのは、男の腕に嬲られ弄ばれ原型を失いつつある自らの肛門なのだ。それを見守り続けることしかできない。
そればかりか滲む涙でぼやけていても、無様に拡げられた穴が何度と捲られながら腕を呑み込んでいくのが分かってしまう。
「んぎ♥やべでぇ…もうやべでぐれよぉ……」
喘ぎ疲れ、枯れてしまった声で懇願する。いつ終わるかも分からぬ狂宴に心砕かれ、只管に嵐が過ぎ去るのを耐え忍びながら。
知らず知らず造り変えられてしまった肉体。もう元に戻るかも分からぬ自らの尻の穴。ぼやけた先にある光景全てが男に絶望感を与え、だがそれ以上に無理矢理快感を植え付けていく。
「お゛れが…ん゛ぉ♥わるがっ…だ…がらぁ……」
後悔と懺悔かそれとも単なる快楽か。男の顔はもう涙と鼻水、涎で絶え間なく汚され端正な顔立ちが無残にひしゃげている。誰一人として見たこと無いであろう姿を惨めに晒しながら、何度と男の悲鳴とよがり声だけが無情にも響き続けた――。
「お゛ぶっ♥も゛う、や゛め…んぉ…お゛でのじりぃぃ――」
「さてと♪」
『んぐう゛う゛う゛ぼっっっん!!』
「ん゛お゛ぉぉぉ、ほごぉ♥……え゛ぁ♥」
どれくらい続けられただろうか。もう男が意識と己を見失う寸前、突如として荒々しく腕が引き抜かれる。鈍く濡れた音を起てて男の尻穴は解放されたのだ。
だが――
『ごぽ…ぶぷ……』
抑え込む壁を無くした肉体は力なく空気の排出を伝え、真っ赤な腸内を易々と見せつけてしまう。
筋肉を帯びた尻の間に、らしからぬ無防備な穴が晒されていた。
「おひゅ…」
濁った光を瞳に宿し、失った感覚を取り戻そうと男は肛門に力を込める。でも括約筋は意志に反しヒクつくだけに留まり、むしろ空いた穴を何かで埋めようと艶めかしい動きを見せるだけだった。現に鈍い痛みを過ぎ痺れたような感覚と、疼くような痒みにも似た感覚だけが脳に送られ、嫌に籠った吐息が漏れ出てしまう。
「あらあら、立派な雌穴になったわねぇ。もう誰が見てもお前の肛門は性器よ?」
「へひっ…」
「どれだけ恰好付けても、一目見れば前立腺狂いに開発されたと見抜かれちゃうわ」
「…あぁ…ぁ……」
新たな涙で視界は揺れていく。男自身、散々嬲られていく中で取り返しのつかない肉体に調教されたと理解できたのだろう。絶え間ない絶望と不快な感覚。だがそれ以上に無理矢理与えられる快楽。
否定する意思とは裏腹に男自身のペニスは、何度と精を吐き出しメスイキの快楽に酔いしれてしまったのだ。
「もうきっと、普通のセックスじゃ物足りないわねぇ」
虚ろな意識を突き刺す言葉。弱弱しく首を揺らし、受け入れ難い現実から逃げ惑う男。
今まで自らが他人へ強要し味合わせた感情に、今は自身が溺れているのだ。何とか彷徨う心を追い求め、立て直そうと乱れた思考を束ねていく。
――瞬間、意識はあり得ない台詞によって再び踏み躙られる。
「じゃあ、そろそろ次行きましょうか♪」
「ふひっ!?つ、つひゅ…?」
「ええ、だって――」
ふと視界が奪われた。僅かに遅れて脳が反応し理解すると共に声が流れる。
無情な声が。
「腕って二本あるでしょう?」
そう、目の前には――二本の腕が晒されていた―――。
刹那に男は意味を理解し、必死に打ち消そうと雄叫びを放つ。
「゛う゛ぞだぁぁぁ」
「嘘じゃないわよ。いっぱいズポズポしてあげるわ」
ぬちゃりと何かが濡れる音。そしてそのままそれは、熱を帯びた括約筋を冷ますかのように伝えられていく。
「い゛や゛ぁぁ…ゆ゛るじでぇ……」
「さあ、たくさん拡げましょうね~」
『ぐぶっ、ぐじゅぶぅぅぅ』
「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛っっっ♥」
暴れた筈の手足は僅かに枷を鳴らすだけに留まり全身が痙攣する。
二人きりの部屋は、その壁に――延々上げられる懇願にも似た絶叫だけを静かに閉じ込め始めていった―――。
「ひあ゛っ…ぁ……?」
深い眠りから男は目を覚ました。眉と目を顰める寝起き特有の不満げな顔をして。端正な顔立ちは歪み崩れ、心の内を吐露していく。
「……俺の…部屋?」
男は恐る恐る辺りを見回す。見慣れた自分の部屋に見える。
「――なんだ…夢か…ぁ!?」
視線が凍る。確かに自分の部屋だ。でも、視線の先にだけ見慣れぬ物が映されている。
全身を映す大きな鏡。そしてその前に置かれた醜い物体。
「ひっ⁉」
『ぬちゅ』
反射的に尻を抑えた手に――否、そもそも手を当てる前から襲う不快な感触。下半身に感じる異変と、その下半身を包む異様な感覚。
夢遊病患者のようにゆらりと男はベッドから立ち上がり、そのまま震える手で履いている物を全て脱ぎ降ろした。
「……ぁぁ」
漏れた息。ふらつく眼差し。立ち昇る異臭。
両足首の間――床にまで引きずり降ろされた白い下着には、べっとりと茶色い汚物が張り付き嫌な臭いを漂わせていく……。
「…ちがぅ……」
力なく抜かれた足は衣類を脱ぎ去り、そのまま歩み始めた。見慣れぬ鏡の前へ。
映るのは変わらぬ筈の自身の姿。だが、そのまま下に視線を向けると大きな異物が嫌でも目に入る。
1.5リットルのペットボトルを更に一回りほど太くしたそれが何なのか理解し、男は色を失った顔を静かに横へ振った――懸命に否定するかのように―――。
虚ろな表情のまま、何故か静かに腰を落としていく。震え力の抜けた足はすんなりと折り畳まれていき――
『ぐぶっ』
「ん゛ぉぉ♥」
『ぐぼぉぉぉぉ』
「お゛ごぉ♥…あ゛は……はい゛っぢまぅ……ん゛ぉ゛ぉ♥♥」
『ぶぴゅ』
全身を震わせ惨めな硬さのペニスが精液を吐き出す。
――と同時に、男の部屋には着信を告げるメロディが静かに流れ出すのだった―――。
「ふぅ」
女はモニターを静かに眺めていた。厳密に言えば女では無いが。
視線の先は動画のようだ。屈強な男に腕を突っ込まれ泣き叫ぶ男。精悍な顔を歪ませ泣き叫びながら身を捩る姿が映されている。苦痛と快楽が入り混じったよがり声を吐き出したと思えば、時折譫言のように助けを求め涙で濡れた顔を振った。
「ふふ、男にWフィストで壊されていく気持ちはどう?他にも色々な調教が待ってるわ」
女は呟く。嬉しそうな独り言を。
「心までは書き替えなかったから嫌で嫌で堪らないでしょう?でも嫌なのに感じてイカされる。そして紙おむつが必要なほど壊れてしまった身体では、もうそうして慰み者として生きて行くしかできない」
微笑んだ瞳は冷たく輝き、唇の端が吊り上がる。
そのまま静かに画面を消すと立ち上がり部屋を後にした。背後の暗闇へ堕ちた男に向けて、語り掛けながら。
――まるで母親が我が子を諭すように、とても柔らかな声色で。
「今まで自分がしてきた行いを悔い改めなさい。懺悔を終える頃には、その生き方でも喜べるようになってる筈だから――ね♪」
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